ガンプラの部分塗装のやり方|ガンダムマーカー・筆塗りの手順と、はみ出しの消し方

組み上がったガンプラを手に取って、どこか物足りないと感じるのは、たいていバーニアの内側や頭のセンサーのような小さい面です。箱絵では色が付いているのに、パーツは周りと同じ成形色のまま。そこだけを塗るのが部分塗装です。
全部を塗るのと違って、エアブラシも塗装ブースも要りません。ペン1本から始められて、失敗しても消せます。ここでは、ペンと筆の使い分け、塗る順番、はみ出したときの消し方、白や黄色がうまく乗らないときの下地の作り方までを、プロの作例を追いながら書きました。
先に答え
部分塗装は成形色をそのまま生かして、色が足りないところだけを塗るやり方です。
- 1本目はガンダムマーカー。ペン先でなぞるだけで、バーニアやセンサーが金属色になる
- ペン先が入らない奥は水性ホビーカラーを面相筆で。はみ出しは綿棒で拭ける
- きれいに塗るコツは、はみ出さないように塗ることではなく、はみ出させてから拭き取ること
- 白・黄・赤は下の色が透ける。先に白を敷くか、隠蔽力の高い塗料を使う
ガンプラの部分塗装とは?全塗装・スミ入れとの違い
部分塗装は、キットの成形色を下地としてそのまま使い、色の足りない面だけを塗る方法です。装甲を一色ずつ塗り重ねる全塗装と違って、塗る面積は全体の数パーセントしかありません。電撃ホビーウェブで桜井信之さんが作例に使ったHGUCの黒い三連星ザクでも、実際に塗ったのはモモのモールド・バックパックのスラスター・バーニアの内側・モノアイシールドくらいです。

スミ入れと混同されがちですが、別の作業です。スミ入れは溝に暗い色を流して影を作るもので、パーツの色そのものは変わりません。部分塗装は面に色を乗せます。手順としては、スミ入れ → 部分塗装 → つや消しの順に進めるのが一般的で、Hobby JAPAN Webの作例もこの流れで4時間ぶんの工程を組んでいます。
部分塗装でできること
- エアブラシも塗装ブースも要らない
- 1日どころか1時間でも成果が見える
- 失敗した面だけ拭き取ってやり直せる
- シールでは追いつかない小さい面を埋められる
部分塗装では届かないこと
- 成形色そのものを変えること。それは全塗装の仕事
- 広い面のムラを消すこと。筆だと必ず跡が出る
- パーティングラインや合わせ目を消すこと
- 塗った面の強度。触ると剥げるので乾燥とつや消しが要る
部分塗装に使う塗料と道具の選び方
最初にそろえるものは少なくて済みます。ガンダムマーカーが1本あれば、その日のうちにバーニアとセンサーは塗れます。足りなくなるのは、ペン先の入らない奥まった場所に当たってからです。

| 塗るもの | 向いている場所 | はみ出したとき |
|---|---|---|
| ガンダムマーカー | バーニアの外側、センサー、ダクトのフチ。表に出ている平らな面 | 乾く前ならティッシュ。乾いたら消しペンかナイフの刃先 |
| 水性ホビーカラー+面相筆 | 肩アーマーの内側など、ペン先が入らない奥 | 家庭用のアルカリ性洗剤を含ませた綿棒で拭ける |
| エナメル塗料+面相筆 | 凹んだモールド、関節まわりの小さい面 | 専用の溶剤やライターオイルで拭ける。ただし関節に流れると割れる |
| 溶剤系アクリル(ラッカー)+面相筆 | 発色と塗膜の強さが要る面。重ね塗りの下地 | 拭き取りは効かない。乾かしてから削るか塗り直す |
迷ったら、ガンダムマーカーと水性ホビーカラーの2つで始めてください。この2つは拭き取りで直せます。知恵袋でも、ガンダムマーカーのはみ出しを消しペンで落とせるかという質問に、「消しペンの溶剤は拭き取りたくないところにも広がる」として、拭き取りを前提にするなら水性アクリル+マジックリンか、エナメル+ライターオイルのほうが安心という答えが付いていました。Hobby JAPAN Webの作例が水性ホビーカラーを選んでいるのも同じ理由です。
最初にそろえるもの
- ガンダムマーカー(メタリック系を1本)。バーニアとセンサーはこれだけで変わる
- 面相筆。穂先が細く、小さな丸や線に当てやすい
- 水性ホビーカラーのつや消しホワイト(下地用)と、使いたい色
- 専用の溶剤。濃さの調整と筆の洗浄に要る
- 綿棒と爪楊枝。拭き取りと、ペン先が入らない場所の塗りに使う
- デザインナイフ。拭き取れないはみ出しを削り落とす
紙パレットや持ち手棒は、あれば楽になる程度のものです。ビンのふたに少量出して筆に取るやり方で足ります。道具全般のそろえ方はガンプラ初心者におすすめのキットと道具に書きました。
ガンプラの部分塗装のやり方:塗る順番と乾かす時間
塗る前にやることが2つあります。濃さを決めることと、塗る順番を決めることです。ここを飛ばすと、筆ムラと下地の透けの両方が出ます。

- 1塗る場所を決めて、説明書の色指定を見るシールで指定されている小さい面が、そのまま部分塗装の候補になる
- 25分塗料を溶剤で薄める濃すぎると筆ムラ、薄すぎると下地が透ける。規定値は無いので試し塗りで決める
- 3明るい色から塗る赤→黒の順。暗い色を先に塗ると、上の明るい色が負ける
- 430分〜乾いてから次の色を重ねる同じ面に2色入れるときは、必ず1色目が乾いてから
- 5はみ出しを拭き取る・削る綿棒、ティッシュ、デザインナイフの刃先
- 61日1日置いてから組む塗った直後は指紋が付く。組むときはティッシュをはさむ
小さいパーツは、ランナーに付けたまま塗ると持ちやすくなります。Hobby JAPAN Webの作例も、ツインアイをランナーに付いた状態でマーカーを当てています。切り離してから塗ると、押さえた指で塗ったばかりの面を触ることになります。
ペン先が太くて入らないところは、ペン先を押して塗料を出し、それを筆や爪楊枝に取って塗ります。マーカーを筆塗り用の塗料として使う形です。頭頂部のセンサーのような1ミリ以下の面は、この方法のほうが早く済みます。
乾燥を甘く見ない
塗った直後の面は、指で押さえただけで指紋が残り、組むときに擦れて剥げます。作例でも1日は乾かすようにと書かれています。急ぐ日は、塗るパーツと組むパーツを分けて、塗ったものは翌日に回してください。
はみ出した塗料の消し方と、はみ出さないコツ
部分塗装でいちばん時間を食うのは、塗ることではなく直すことです。そして上手い人ほど、はみ出さないように塗ろうとしていません。少しはみ出すくらいに塗って、あとから拭き取るほうが、結果として境目がシャープになります。

水性ホビーカラーなら、家庭用のアルカリ性洗剤を含ませた綿棒でこするだけで落ちます。パーツの平らな面に乗った塗料は取れて、凹んだ中の塗料は残るので、ディテールに沿った線が勝手にできあがります。エナメル塗料なら専用の溶剤やライターオイル、ガンダムマーカーなら消しペンが同じ役目をします。
拭けない場所もあります。顔の頬ダクトのように、周りのモールドが細かすぎて綿棒が入らないところです。そこはデザインナイフの刃先で削り落とします。成形色のまま仕上げているからこそ使える手で、下の色がそのまま出てきます。
もう一つ、境目そのものを作ってしまう方法があります。塗り分けたいラインに溝が無いと、塗料は止まるところが無くてにじみます。桜井さんの作例では、外へ向かって角が立った「逆エッジ」の部分で白がにじんでしまい、ニードルで軽く線を入れてから塗り直しています。削ったときに溝の両側がわずかに盛り上がり、それが壁になって塗料が流れ出なくなります。

| こうなった | 直し方 |
|---|---|
| 水性塗料が周りにはみ出た | アルカリ性洗剤を含ませた綿棒でこする。乾いていても落ちる |
| マーカーがはみ出た | 乾く前ならティッシュ。乾いたら消しペン、またはナイフの刃先で削る |
| 消しペンで周りまで溶けた | 溶剤が広がるのが原因。次からは拭き取りやすい水性かエナメルで塗る |
| 塗り分けのラインが曲がる | 境目にニードルやタガネで浅い溝を入れてから塗り直す |
| 筆の跡が残る | 塗料が濃い。溶剤で薄めて、薄く2〜3回重ねる |
| 塗った面が擦れて剥げた | 乾燥不足。1日置いてから組み、仕上げにつや消しを吹く |
白・黄色・赤が発色しないのは隠蔽力が足りないから
濃いグレーのバーニアに赤を塗ったら茶色くなった、グレーのライフルに黄色を塗ったら濁った——これは塗り方の問題ではありません。白・黄・赤は下の色を覆い隠す力(隠蔽力)が弱く、成形色が透けて混ざってしまいます。

直し方は2つです。1つは先に白を塗って下地にすること。白が乾いてから色を重ねると、同じ塗料でも別物のように発色します。Hobby JAPAN Webの作例でも、グレーのバスターライフルに黄色を乗せる前に、つや消しホワイトを薄く何度か重ねてから塗っています。ひと手間に見えて、濁った色を塗り直す時間より短く済みます。
もう1つは、最初から隠蔽力の高い塗料を使うことです。Mr.カラーGXのように下地を隠す力を上げたシリーズがあり、白ならGX1のクールホワイト、赤ならハーマンレッドが使われています。電撃ホビーウェブの作例では、普通の赤とハーマンレッドを並べて、下地が同じでも発色がはっきり違うことを見せています。
黒い成形色に明るい色を乗せるとき
ザクやシナンジュのような濃い成形色のキットでは、白い差し色がいちばん難しくなります。白を1回で決めようとせず、薄めた塗料を乾かしながら2〜3回重ねてください。1回で厚く塗ると、表面がぼてっと盛り上がってモールドが埋まります。
部分塗装で効く場所:ツインアイ・ダクト・バルカン・銃口
どこを塗るかで、かかる時間あたりの効果がまるで違います。面積の小さい順に、効くところから手を付けてください。

| 場所 | 何を塗るか | なぜ効くか |
|---|---|---|
| ツインアイ・モノアイ | メタリックグリーン、蛍光ピンク | 顔はいちばん見られる。光って見えるだけで印象が変わる |
| 頬のダクト・スリット | つや消しブラック | 奥を暗くすると、塞がっている面が穴に見える |
| バーニアの内側 | 赤・オレンジ(下地に白) | 外から見える凹みなので、素のままだと目立つ |
| バーニアの外側・スラスター | 黒鉄色・焼鉄色 | プラスチックの質感が金属に寄る |
| 頭部バルカン・銃口 | シルバー、焼鉄色 | 1ミリの面だが、武器と頭の密度が一段上がる |
| センサー・カメラ | メタリック系 | シールが貼られる場所。塗るとフチの段差が消える |
共通しているのは、どれもシールで指定されている場所か、シールすら付いていない小さい面だということです。説明書でシールを貼るよう書かれているところを塗りに変えると、貼ったときに出るフチの段差やテカりが無くなります。
塗らなくていいキットと、塗りどころの多いキット
最後に、当サイトのデータから見た話です。載せているキットの公式の商品ページを読んでいるので、商品説明の中で「色分け」と「シール」に触れているキットを数えました。
- 602件公式の商品説明を読めたキット
- 69件説明に「色分け」が出てくる
- 321件説明に「シール」が出てくる
「色分け」を書いているのは11.5%で、「シール」を書いているのは53.3%でした。つまり半分以上のキットが、細かい色はシールで補う前提で作られています。部分塗装の出番は、そのシールの場所です。

グレード別に並べると、きれいに分かれました。組みやすさを売りにしているENTRY GRADEとSDは、公式が色分けを前面に出しています。ENTRY GRADEのウイングガンダムにいたっては「シール不要!洗練されたパーツ分割により、組み立てるだけで色分け再現可能」と書かれています。いっぽうHGUCは63件のうち1件、30MMは61件すべてが色分けに触れていません。古いHGUCほど、塗る余地が残っているということです。
面白いのは、Hobby JAPAN Webが部分塗装の作例に選んだのが、その「シール不要」と書かれたENTRY GRADE ウイングガンダムだったことです。色分けが済んでいるキットでも、バーニア・センサー・銃口のような小さい面は成形色のままで、そこを塗ると見違えます。色分けがいいキットほど、少し塗るだけで差が出るとも言えます。
| キット | 定価 | 新品の最安 | 次の再販 |
|---|---|---|---|
| ENTRY GRADE 1/144 ウイングガンダム Hobby JAPAN Web の作例。公式が「シール不要!…組み立てるだけで色分け再現可能」と書いているキット | 1,100円 | 680円 定価以下 | 2026年10月 |
| HGUC 1/144 MS-06R-1A 黒い三連星ザク 電撃ホビーウェブの作例。モモとスラスターの白い差し色はシールでも追いつかないサイズ | 1,760円 | — | 予定なし |
| ENTRY GRADE 1/144 ストライクガンダム 公式の商品説明に「組み立てるだけで色分けを再現」とある | 770円 | 670円 定価以下 | 2026年12月 |
| HG 1/144 ライジングフリーダムガンダム 公式の商品説明に「成形色による細かなパーツの色分けにより、組み立てるだけで満足な仕上がり」とある | 2,640円 | 1,980円 定価以下 | 予定なし |
| RG 1/144 MS-06S シャア専用ザク 公式の商品説明に「1/144スケールで類をみない色分け再現」とある | 3,080円 | 2,380円 定価以下 | 2027年2月 |
| ベストメカコレクション 1/144 RX-78-2 ガンダム (REVIVAL Ver.) 公式の商品説明に「洗練されたパーツ構成により全身の色分けを細部まで再現」とある | 1,320円 | 820円 定価以下 | 2026年12月 |
練習台に向くのは、表のいちばん上のENTRY GRADE ウイングガンダムです。安く、パーツが少なく、それでいて塗る場所が顔と武器にまとまっています。逆に、塗りがいがあるのはHGUCの黒い三連星ザクのような古い設計のキットで、こちらは差し色がシールでも追いつかないサイズなので、塗ると効きます。品切れのときは2026年11月のガンプラ再販やHGUCの再販予定で戻ってくる月を確かめてください。
値段は毎日集めているので、定価以下で買えるキットは定価以下で買えるガンプラに並んでいます。安いキットで練習したいなら安いガンプラのおすすめも参考になります。
定価以下で買えるガンプラを見る新品の最安値が定価以下のキットを、毎日集めています
ガンプラの部分塗装でよくある質問
部分塗装は何から始めればいいですか?
ガンダムマーカーのメタリック系を1本買って、バーニアの外側と頭のセンサーをなぞるところから始めてください。ペン先でこするだけで、ほかの道具は要りません。そこで物足りなくなったら、面相筆と水性ホビーカラーを足します。
ガンダムマーカーだけで部分塗装はできますか?
表に出ている面だけなら、マーカーだけでもできます。できないのは、肩アーマーの内側のように凹んでいてペン先が入らない場所です。そこはマーカーのペン先を押して塗料を出し、筆や爪楊枝に取ってから塗ってください。マーカーを筆塗り用の塗料として使う形になります。
はみ出した塗料はどうやって消しますか?
水性ホビーカラーなら、家庭用のアルカリ性洗剤を含ませた綿棒でこすれば落ちます。エナメル塗料なら専用の溶剤やライターオイル、ガンダムマーカーなら消しペンです。周りのモールドが細かくて綿棒が入らないところは、デザインナイフの刃先で削り落とします。
白や黄色を塗っても色が沈んでしまいます
白・黄・赤は下の色を隠す力が弱いので、濃い成形色の上では透けます。先につや消しホワイトを薄く2〜3回重ねて下地を作ってから色を乗せるか、Mr.カラーGXのような隠蔽力の高い塗料を使ってください。1回で厚く塗るとモールドが埋まります。
塗り分けのラインがまっすぐになりません
境目に溝が無いと、塗料が止まるところが無くてにじみます。塗り分けたいラインにニードルやタガネで浅い線を入れてから塗ると、削ったときに盛り上がった縁が壁になって止まります。もう1つの手は、はみ出させてから拭き取ることです。
部分塗装のあとにつや消しは必要ですか?
塗った面と塗っていない面でツヤが変わるので、全体につや消しを吹くとなじみます。塗膜の保護にもなり、触ったときに剥げにくくなります。吹く前に、塗料がしっかり乾いていることを確かめてください。
部分塗装をするとパーツを組めなくなりませんか?
塗膜のぶんだけ厚くなるので、はめ合わせがきつくなることはあります。軸や穴の内側は塗らないでください。関節まわりにエナメル塗料が流れ込むと、プラスチックが割れることがあるので、可動部の近くは水性かマーカーにしておくと安全です。
シールを貼るのと塗るのはどちらがいいですか?
仕上がりは塗るほうがきれいです。シールはフチに段差が出て、角度によってテカります。ただしツインアイのような複雑な形は、貼るほうが早くて失敗しません。目は貼って、バーニアと銃口は塗る、という分け方で十分です。
合わせ目の処理はガンプラの合わせ目消しのやり方、グレードごとの作りやすさの違いはガンプラのグレードの違いに書いています。
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